初田哲男

自然をより良く理解したいという人類の好奇心にもとづく基礎科学は、その副産物として様々な応用技術を生んできました。
一方、人間生活を改善しようとする様々な技術革新は基礎科学の新たな発展を育みます。19世紀の産業革命と熱力学、20世紀の量子力学とエレクトロニクス革命はこのような相互関係の好例であり、21世紀の情報革命もこの延長線上にあります。
いわば、基礎科学と技術革新は「共進化」してきたのです。また、ガリレイ、ニュートン、アインシュタイン、ホーキングをはじめとする数々の偉大な科学者が述べているように、科学の本質的発展には「数理」(数学、理論科学、計算科学)が重要な役割を果たしています。
理研数理は、高い数理能力を有するアカデミアの研究者と産業界の研究者や技術者が、垣根を越えて協働と人材還流を行う新しいプラットフォームを構築し、科学と技術の共進化を一層加速しながら新しい価値を生み出すことを目指します。そこで得られた価値や収益は、豊かな人間生活と経済発展の両立に資するとともに、基礎科学の振興にも供されます。
私達は、これが21世紀後半における科学・技術イノベーションの先進的モデルになると信じています。